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世界は考え方でどうにでもなる

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「風の谷のナウシカ」漫画版に関する考察〜ネタばれあり〜

先日ITパスポートを一緒に受ける友人が、もし合格できたら「風の谷のナウシカ」漫画版を自分のご褒美として買うと言っていて、偶然にも自分は漫画版全巻もっていたので古いけど合格できて欲しいならあげるということを約束しました。それで、何年も前に何度か読んだきりだった「風の谷のナウシカ」を読んでみたくなり、自分なりに考察してここに書こうと思います。

その前に少しネットで人のブログ等を読みました。

『風の谷のナウシカ』原作ラストに対する、私的な解釈と感想 - Biting Angle

これは、とてもわかりやすく書かれていて参考になりました。

僕なりにラストの墓所でのシーンを振り返ってみたいと思います。第7巻190ページから。

簡単に言うと、旧人類は理想に走り、現実を見ようとせず生きようとしなかった。絶望に囚われ、今を生きることを諦めてしまった。そして、遠い未来に人類の未来を託し、「つなぎ」でしかない人間(ナウシカたち、毒のある空気でしか生きられない人間。だから、浄化された地球では長く生きていられない。)を作り、閉じこもってしまった。旧人類は、「生命は光だ!!」と主張し、自分達が光・希望だと言い、闇のない世界を真実の世界だと思っている。しかし、ナウシカは、「ちがう いのちは闇の中のまたたく光だ!!」と言い、「清浄と汚濁こそ生命」とも言っている。

 

旧人類は、ずっと人間を騙し続けてきた。腐海時代に生きる人間に作られたことを教えず、自分たちが神だと言い、いつしか世界が浄化されたとき自分達が蘇られるよう墓所を守るよう命令している。

「永い浄化の時にそなた達はいる」「だがやがて腐海の尽きる日が来るであろう」やがて再建への新しい朝が来よう」「私達はこの墓を(中略)英知を集めて建設した その朝が来た時世界の再建に力になるようにと…」

これに対し、ナウシカは

「否!!」

と全く受け入れない意思を表示しました。

第7巻130ページ辺りに答えが出ています。火の7日間で世界がどうしようもないほど汚染された時、その時の人類は人間や他の生物をつくり変えてしまった。そして世界をもつくり変えてしまおうとした…

そのつくり変える装置が腐海だったのです。人間やその他の生物の中にも「腐海」はあったのです、逆の作用で。

その世界に生きる生物は、汚染された世界で生きられるように旧人類に装置を働かせられ、世界の方は浄化されるように装置を働かせた。世界は大きい分だけ時間がかかるだけで、作用は同じです。千年の時を経て、人間は自分達が作り変えられた時のことを忘れ、腐海に飲み込まれようとしている今からしか真実を想像できなくなったのです。しかし、ナウシカは、千年生きているであろうヒドラである庭の主から世界の秘密を聞き、真実を見つけます。全ては旧世界の人間から造られ、旧人類が復活するまでの命だということに。

ヒドラとは造られた人間、人造人間のことを指します。

ナウシカは、自分達が生きているのは旧世界の人を復活まで守るためではないと、そんな生き方は到底受け入れられるものではないと感じ、だから「否!!」と叫んだのです。

「私達の身体がたとえ人工で作り変えられていても私達の生命は私たちのものだ 生命は生命の力で生きている」

死は闇。生命は光。これは旧人類もナウシカも共通していると思う。

異なるのは、旧人類は火の7日間で絶望し死を恐れ逃れようとし死=闇を否定した。しかし、ナウシカは、闇を認め「すべては闇から生まれ闇に帰る」と言い、死=闇があるからこそ生命=光があるのだと主張した。

どうして闇を認められたのか。それは腐海とともに生きてきたからです。腐海がナウシカ達の生きる世界をどんどん浸食し人類はもう腐海を消すことは不可能で、腐海が世界の中心で亡びの象徴だったからです。「亡びは私達のくらしのすでに一部となっている」とナウシカは言っています。いつ死んでもおかしくない中で生きてきて(死ぬのが自然で)、闇=死はいつも隣にあったため、闇=死は否定できるはずもなかった。否が応にもくらしの一部だった。そして死と隣り合わせだからこそ強く生きられるとナウシカは思っているのだろう。

まとめると、旧人類は争いの果てに火の7日間で絶望し、理想と使命感から墓所を作り、争いのない希望のみある清浄な世界を作ろうとした。が、そもそもすべては闇から生まれ、闇を無くすことは不可能であり、創造と破壊(闇と光が入り交じること)こそが生きるということであり、争いのない世界=光=生のみの世界はあり得ない。創造と破壊の結果、人類が滅亡するとしてもそれは人類の地球に対して行ってきた結果に過ぎない。世界を人類の思うままに作り変えることは生きることとは違う。ありのままの世界をありのまま受け入れ、世界とともに変わっていくことが生きるということだ。ナウシカは闇=死を否定する旧人類を否定し闇の中で生きることを選んだ。

現実の人類は生きているのだろうか。森林を切り空気を汚染して海に化学物質を流す…

大きな視点から、地球があってこそ生きていられるということに全人類が気づき行動を改めないと、いつかその報いを受けることになると思います。