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社内SEからジョブチェンジし、コンサルタント見習いです。「人間を科学する」ことに興味があります。

現在の英語教育の把握とそれの良い点と改善点 

 

 私は、去年フィリピンへ短期英語留学に行きました。そうしたら、自分が今まで中学・高校・大学で受けてきた英語教育と、フィリピンでの英語学習とを比べられるようになりました。フィリピンの英語環境を感じながら外から日本の英語教育を考えることで、どこが良くてどこが問題なのか自分の意見を述べたいと思います。しかし、私が受けてきた教育と現在の英語教育環境は、まったく違うようです。私が通っていた小学校では、英語の「え」の字もでてきませんでした。アルファベットもすべては言えなかったのを覚えています。 

 文部科学省の「小学校における英語教育の現状と課題(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/06040519/002/002.htmhttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/06040519/002/002.htm)」によると、「小学校英語活動実施状況調査」においては、93.6パーセントの学校が何らかの英語活動を実施しています。年間の平均授業実施時数は第6学年で13.7単位時間(1単位時間は45分)とあります。

グローバル化が進み、国際社会で活躍する人材が必要とされていますが、日本のTOEFLの平均スコアは、アジア諸国で下から2番目に位置しています。

2014年から国公立の小学校では第5学年から第3学年からの英語教育が必修となり、2012年に中学校、2013年に高等学校で、英語の授業を強化する学習指導要領改定案が文部科学省より発表されました。

2013年12月13日には、小中高等学校を通じた英語教育改革を計画的に薦めるための「英語教育改革実施計画」を公表しました。 

 と、色々改革を進めていますが、そういう政策の中身はどうなのでしょうか。 

 授業を英語で行うことを基本とするのは、良いことだと思います。必ずすべて英語で話さなければならないのではなく、部分的にテーマに沿って英語で生徒間または生徒と教師でコミュニケーションをする練習がまず必要だと思います。使える英語にするには、英語のみでコミュニケーションをとる練習は外せないと思います。 

 

 具体的には、書籍『より良い授業を目指して』から、コミュニケーション志向型の授業の場合の白井雅裕氏の回答のように、生徒を特定して名前を呼び、会話をつないで定型文をそれとなく分からせる方法です。

自然な流れでスピーディに次々に簡単な英語でコミュニケーションを図る。

そういうコミュニケーションの取り方を毎授業継続して習慣化すれば、英語の会話のキャッチボールに慣れてくれると思います。教師の質問に対しどう答えれば良いかの定型文を覚えたら、ちょっとずつ変化をつけていって飽きさせない工夫も必要だと思います。

本でも述べられていましたが、一番大事なことは、継続力だと私も思いました。続けることで、今までやってきたことを積み重ねることで、忘れずに自分のものになるんじゃないでしょうか。 

 大学で英会話が必修となっている大学がありますが、それも良い点だと思います。小・中・高校で英語に苦手意識を持っている学生にとっては、英語で意思疎通できたときの楽しさが味わえます。私自身、大学に入るまでは英語に苦手意識を持っていました。 

 早稲田大学には、少人数でネイティブスピーカーと英語のみで会話するチュートリアルイングリッシュという授業が週2コマ(1コマ90分)あります。学生3〜4人に対しネイティブスピーカーが1人という割合です。その授業の前に英語の実力テストをしてレベル分けされ、同じレベルくらいの学生同士で英語で会話するので、周りよりしゃべれないという恥ずかしさもあまり感じません。私はこの授業でだいぶ英語への抵抗を感じなくなりました。と同時に、もっと早くこの方法をとれていればもっと話せただろうとも感じました。なので、改善策としては、この少人数でのネイティブスピーカーとの英会話の授業を中学か高校で取り入れることです。 

 やはり、日本の英語教育の問題点としては、生の英語のリスニングが少ないということだと思います。子どものころに、日本語以外の言語と接する機会が全然ないということです。だから、生の英語を聞くことを取り入れるのがリスニングの授業の改善策です。 

 書籍『より良い授業を目指して』から、クエスチョン6の紀岡龍一氏の指導方法のように、リスニングで聞き取れない生徒に対しては、特定の単語に集中させて何個言ってたか、英文の穴埋め問題等、まず単語単体を聞き取れるように慣れさせることです。キャラクターを作って視覚的にもストーリーをイメージさせたり、声の調子を変えたり等も良いのではないかと思います。 

 語彙力の改善に関しては、書籍『より良い授業を目指して』から、出口ナナ子氏の回答のような、あるテーマに沿って関連した言葉を繋げて自分だけの辞書を作るということが考えられます。ゲーム感覚でどれだけ多く関連した言葉を見つけられるか競争するのも楽しいのではないかと思います。 

 

 英語教育の改善策は、ディスカッションを増やすことや、ネイティブスピーカーとの対話を増やして、使える英語を覚えることだと思います。継続的に英語に触れることも重要ですが、英語の感覚を身につけるために集中的に英語を使うことも重要だと思います。一度留学しなければならないという決まりを作ってはどうでしょうか。日本人同士で英語を使うのは不自然だし、国内では英語を学ばないといけないという危機感を感じられません。私は、教師が英語を教えるという形では、十分な実践的な英語は修得できないと思っています。生徒が主体となってとにかく聞いて使って覚える、という繰り返ししかないのではないでしょうか。 

 大事なのは、英語を学ぶことは、楽しい・当たり前だという環境であることだと思います。 

 

 

 

【参考】 

「小学校における英語教育の現状と課題|文部科学省」 

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/06040519/002/002.htm