世界は考え方でどうにでもなる

社内SEからジョブチェンジし、コンサルタント見習いです。「人間を科学する」ことに興味があります。

「今この世界を生きているあなたのためのサイエンス」リチャード・ムラーを読んで

 この本を読んで、僕がいかに自分の周りの世界を知ったようになっていたかということに気がついた。

 

例えば、この本には9.11事件のことが書かれている。

 「9.11事件?知ってる知ってる。ひどいテロだったよねー」と僕は言う。

 

 だけど、実際に何を知っているだろうか。

 人に説明しようとした時に僕の頭に思い浮かぶのは、

「確かアルカイダとか言うテロ組織が、飛行機を2機ハイジャックして世界貿易センターにアタックした酷いテロ。」

 などと非常にアバウトなことだ。

 事件から10年以上経って、この本を読んで初めて知る事実の多いこと。ビルの崩壊は、飛行機の突撃による衝撃によってではなく、飛行機の燃料の燃焼による熱でビルを支える鉄骨が湾曲したことによってである、という事実を人々は知っているのだろうか。

 また、・テロリストの意図は何か・どうやってハイジャックしたのか・アルカイダとはどんな組織なのか・どれくらいの被害だったのか・飛行機がぶつかった後ビルはどうなったのか・その後どんな対策がとられたのか etc..

 僕はこれらの基本的質問についても確信を持って言えなかった。こんなこと知る必要ないだろうか。事件があったということだけ知っていればいいのか。それは今を生きている者として正しいのだろうか。僕には分からないが、知らないことは恥ずかしいと感じた。いや、知った気になっていることが恥ずかしかった。理解した気になって、いざ人に教えようとする時に、大したことも言えなかったらとんだ間抜けだ。

 だから、一から自分の言葉で言えるように頑張ろう。

 話がそれたけど、この本は物理学の本だ。物理学と聞いて文系の人は避けたくなるかもしれないが、書かれている内容は、素人でも分かりやすく言葉の定義から説明してくれている。

 テロリズム、エネルギー問題、原子力、宇宙空間、地球温暖化について書かれており、どれも一個人にとっては大き過ぎる事柄であるが故に意識されにくいが、世界的に見れば非常に重大で興味深い内容である。が、文体は堅苦しくなく若者にも読みやすい。大学生にお勧めしたい1冊である。